丁
基本説明
- 十天干の第四位、陰火に属し、五行では礼を主とし、方位は南方に対応し、時令は仲夏に対応する
- 自然属性は星火燭光であり、『渊海子平』では「その形は一燭灯」と喩えられ、文明の火種を象徴する
- 五行の火の精微に由来し、文教の昌明の功を持ち、古籍では「旺而不烈、衰而不穷」と称される
個性
正面特質
✓ 文雅知礼:燭火が暗闇を照らすように、文明教化の気質を持つ
✓ 洞察敏鋭:表象を貫く直感と知恵を持つ
✓ 外冷内熱:表面は冷静自持、内面は情感豊か
✓ 持久専注:長明灯のように信念を守り、人を理解する
負面特質
✗ 優柔不断:重要な選択で反復して揺れることがある
✗ 猜疑多疑:安全感の欠如が過度の警戒をもたらす
✗ 消極隠忍:強圧に遭うと自己消耗しやすい
✗ 執拗孤僻:チーム協力が苦手で、独立行動を好む
類象及び意味
カテゴリ | 具体的な類象 |
---|---|
自然 | 星月の輝き、溶岩の暗火、仲夏の夜の蛍、香炉の余燼 |
人物 | 文教の仕事(教師/作家)、玄学研究者、芸術の演者、技術工匠 |
身体 | 心血管系、神経脈絡、歯と歯茎、乳腺組織 |
地理 | 文化機関、電子工房、中医診所、ネットワーク基地 |
動植物 | バラ/芙蓉などの香艶な花、蛍/蝉などの夜行生物、毒蛇/蠍などの陰柔毒物 |
器物 | 電子チップ、微細回路、鍼灸の銀針、香薰燭台 |
抽象概念 | 思想の伝承、玄学秘術、美容芸術、精密技術 |
関連典故
『滴天髓』精要
「丁火柔中、内性昭融」
- 丁火の外柔内剛の本質を明らかにし、乙木(花草)をその母とし、壬水(江河)をその用とする
- 「可秋可冬」は丁火の適応性を強調し、甲木(嫡母)を得れば四季に適する
『渊海子平』論述
「得時能化千斤鉄、失令難熔一寸金」
- 丁火のエネルギーの収放特性を比喩し、旺時は鋭不可当、衰時は力有未逮
- 「縦多湿木不能生」は丁火が燥木を必要とし、湿木は逆に障害となることを示す
民間詩訣
「為人在先多快楽、打抱不平属第一」
- 丁火の人が外冷内熱の侠義風範を示す
- 「心中有話当面提」はその率直で礼節を失わないコミュニケーション方法を証明する