戊
基本説明
- 十天干の第五位、陽の土に属し、五行では信を主とし、方位は中央に対応し、時令は四季の交替に対応する
- 自然属性は山岳の厚土であり、『渊海子平』では「城壁堤岸同」と喩えられ、万物を支える基盤を象徴する
- 五行の中央の精から生まれ、万物を生化する母体の特性を持ち、古籍では「静翕動辟、万物司命」と称される
個性
正面特質
✓ 厚重守信:城壁のように堅固で、約束は千金より重い
✓ 包容沈穏:大地のように万物を支え、優れた耐圧能力を持つ
✓ 実務的勤勉:行動が秩序立っており、長期的な計画を立てるのが得意
✓ 忠誠信頼:チームの基盤となることを厭わず、強い責任感を持つ
負面特質
✗ 頑固守旧:思考パターンが固化し、柔軟性に欠ける
✗ 遅鈍笨拙:状況に対する反応が遅れる
✗ 疑心過重:信頼の構築に時間がかかる
✗ 好逸悪労:自発的な開拓精神に欠ける
類象及び意味
カテゴリー | 具体的な類象 |
---|---|
自然 | 黄土高原、山岳丘陵、砂漠ゴビ、堤岸城壁 |
人物 | 建築エンジニア、倉庫管理、農業専門家、金融保証 |
身体 | 脾胃消化系、皮膚組織、鼻部筋肉、腹部脂肪 |
地理 | 政府ビル、穀物倉庫、宗教寺院、不動産物件 |
動植物 | ラクダ/牛などの荷物運び動物、瓜果/トウモロコシなどのデンプン作物、アリなどの穴居昆虫 |
器物 | 陶磁器製品、セメント建材、金庫具、骨董品コレクション |
抽象概念 | 信用体系、不動産管理、基礎建設、慢性的蓄積 |
関連典故
『滴天髓』精要
"水潤物生,火燥物病"
- 戊土は水と火で調整が必要で、水が潤えば万物が育ち、火が乾けば固結して活力を失うことを示す
- "若在艮坤,怕冲宜静"は戊土が安定を好み、動揺を嫌うことを強調(艮は山、坤は地)
『渊海子平』論述
"镇江河海要根重"
- 戊土を堤防に喩え、根基が深ければ安定し、浮つけば崩壊することを示す
- "平生最爱东南健"は戊土が木で土を疏通する必要があることを指し(東南は巽木)、活力を保つ
民間詩訣
"一条路上跑到黑,吃亏让人百事宜"
- 戊土の人が執着し、信を守る特質を強調
- "话不投机皱双眉"はその柔軟性に欠ける性格の弱点を反映