乙
基本説明
- 十天干の第二位、陰木に属し、五行では仁を主とし、方位は東方に対応し、時令は仲春に対応する
- 自然属性は花草や藤蔓で、柔軟な生命力を象徴し、『渊海子平』では「根荄種得深」と喩えられる
- 五行の陰陽分化に由来し、甲木の補佐として、依存して成長する特性を持ち、古籍では「其の体は柔嫩なり」と称される
個性
正面特質
✓ 柔軟で頑強:藤蔓のように岩を巻き上がることができ、非常に高い適応力を持つ
✓ 敏感で繊細:細やかな観察力と感受性を備えている
✓ 進退に度がある:迂回戦略を巧みに使い、順応する道を深く理解している
✓ 協調と包容:矛盾を解消するのが得意で、非常に高い共感能力を持つ
負面特質
✗ 優柔不断:重大な決定が外部の影響を受けやすい
✗ 感情が変わりやすい:内面で敏感さと不安が生じやすい
✗ 依存性が強い:独立して責任を持つ勇気に欠ける
✗ 策略が深すぎる:時折計算高く、細かく考えすぎる傾向がある
類象及び意味
カテゴリ | 具体的な類象 |
---|---|
自然 | 垂柳や藤蔓、蘭や芝草、二月の和風、朝の薄霧 |
人物 | 文芸活動者、医療看護、中介媒人、副職助手 |
身体 | 肝胆系、神経脈絡、指の関節、毛髪涙腺 |
地理 | 芸術園区、織物工房、結婚仲介所、茶室画廊 |
動植物 | 寄生植物/蔓性植物、蚕や蝶などの変態生物、孔雀などの華麗な鳥類 |
器物 | 絹織物、文房四宝、藤編みの器具、香水香料 |
抽象概念 | 文化伝播、感情維持、柔軟な管理、間接取引 |
関連典故
『滴天髓』精要
「乙木は柔らかいが、羊を刲り牛を解く」
- 乙木が柔軟で剛を克服する特性を示し、羊(未土)や牛(丑土)も巻き結ぶことができる
- 「藤蔓が甲に系る」は強者に依存して発展する智慧を強調し、甲木の支えを得れば四季に適する
『渊海子平』論述
「漂浮は水に多く逢うを最も恐れ、刻斫は金を苦用するを須いず」
- 乙木が柔弱で水を忌む(水が多いと木が漂う)ことを警告し、成材には強い金の彫刻を必要としない(金が多いと木を傷つける)
- 「南に去れば火炎の災い浅からず」は乙木が水と火の調和を必要とし、乾燥しすぎると生命力を失うことを示す
民間詩訣
「心実は景を見て心機あり、忍耐し譲ることができ心は最も慈しむ」
- 乙木の外柔内智の二重特性を示す
- 「通情達理多く尊譲」はその調和万物の中介属性を証明する