己
基本説明
- 十天干の第六位、陰土に属し、五行では信を主とし、方位は中央に対応し、時令は季夏に対応する
- 自然属性は田園の沃土で、『渊海子平』では「坤深能为万物基」と喩えられ、生命を育む象徴とされる
- 五行の坤土の精から生まれ、万物を生化する母性的特質を持ち、古籍では「中正蓄藏,不愁木盛」と称される
個性
正面特質
✓ 包容力があり寛大:沃土が万物を養うように、海をも受け入れる度量を持つ
✓ 柔軟で適応力がある:陶土のように可塑性が高く、環境の変化にうまく適応する
✓ 細やかで周到:行動において細部に注意を払い、超強力な調整能力を持つ
✓ 忍耐強く献身的:裏方に徹し、長期的な精神を備えている
負面特質
✗ 優柔不断:意思決定の際に多くの要因に影響されやすい
✗ 疑り深く猜疑心が強い:安全感の欠如が過度の警戒心を招く
✗ 消極的に妥協する:プレッシャーに直面すると退くことを選びやすい
✗ 策略的で計算高い:時折、計算や駆け引きの傾向を見せる
類象及び意味
カテゴリー | 具体的な類象 |
---|---|
自然 | 湿った粘土、丘陵の段々畑、季夏の雲霧、腐植土壌 |
人物 | 後方支援スタッフ、秘書助手、農業専門家、医療従事者 |
身体 | 脾胃膵臓、腹部脂肪、皮膚組織、筋肉筋膜 |
地理 | 温室大棚、倉庫物流、母子病院、陶芸工房 |
動植物 | 蜜蜂/蟻などの群居昆虫、ジャガイモ/山芋などの塊茎作物、パンダなどの温順な動物 |
器物 | 陶磁器、編み製品、収納容器、発酵食品 |
抽象概念 | 資源統合、後方支援、教育訓練、慢性調整 |
関連典故
『滴天髓』の精要
「火少火晦,金多金光」
- 己土が火による調整を必要とする特性を示し、火が弱いと土が晦く、金が多いと土が金を生じて貴となる
- 「若要物旺,宜助宜帮」は己土が外力によってその育成機能を発揮する必要があることを強調する
『渊海子平』の論述
「水金旺处身还弱,火土功成局最奇」
- 己土が水金の過剰を忌む(水が多いと土が流れ、金が多いと土が虚になる)
- 「得时方可用鎡基」は己土が時を得て初めて耕作の功を発揮できることを比喩する
民間詩訣
「见面生情抹不开,心慈面软你回来」
- 己土の人が外柔内剛の交際特徴を示す
- 「好心慈善闷在怀」はその感情表現が苦手なことを反映している