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従児格

従児格(じゅうじかく)は、特殊な格局「従格(じゅうかく)」の一種です。これは、日主が極端に衰弱し、印星(正印・偏印)による生扶が全くなく、命式中に自分が生み出す「食神(しょくじん)」や「傷官(しょうかん)」、すなわち「食傷(しょくしょう)」の気が結党して全局を専ら旺盛にする場合を指します。日主は自らを捨て、「児(食傷)」の旺盛な勢いに順応せざるを得ません。この格局が成立すると、持ち主は天賦の才知に恵まれ、技芸・学識・知恵によって大きな富や名誉を得ることができる上格とされます。

判別方法​

この格局は、日主が極端に衰弱し、印星の生扶がないことを前提とします。四柱すべてが「食神」「傷官」で満たされている、あるいは食傷が結党して局を成し、その勢いが極めて旺盛で、日主が従わざるを得ない場合に成立します。

詳細は以下の通りです:

  • 従児格・真格

    1. 日主無根:日干が地支に本気根・余気根を全く持たない。
    2. 食傷当令:月令が食神または傷官であり、かつ地支が食傷方局(三会など)を形成している(例:木日主が寅・卯・辰や巳・午・未を得る場合)。
    3. 絶対に印星なし:四柱(特に天干)に正印・偏印が一切現れない。もし現れれば破格となる。
    4. 財星があれば尚良し:柱中に財星(食傷が生み出すもの)が現れ、秀気を引き出す場合、「児また児を生む」とされ、格局として最上となる。
  • 従児格・仮格

    1. 日主に微根あり:日干が地支に微弱な根気を持つ(雑気に蔵される、または刑冲されるなど)。
    2. 印星が虚浮:天干に印星があるが、虚浮で根がなく、または他の神に合・剋される。
    3. 格局が純粋ではないが、気勢は依然として食傷にあり、歳運でその障害が去れば発福する。

※「真」と「仮」は格局の絶対的な良し悪しを判定するものではなく、純粋度や成就条件の違いを示すものです。真格は格局が純粋で、富貴のレベルも自然と高くなります。仮格はやや瑕疵があり、富貴の成就には後天的な大運の助けがより必要となります。

格局の意味​

従児格に入る命は、思考が自由奔放で、才能が溢れ、非常に高い創造力と表現力を持つのが特徴です。命式全体の気勢が「我が生む」食傷に集中しているため、知恵や芸才が最大限に発揮され、生まれながらの芸術家・文学者・技術者・ビジネスの天才となり得ます。さらに格局中に財星が加わり、「食傷生財(しょくしょうせいざい)」が成立すれば、この卓越した才能を巨大な富や名声へと完璧に転化できます。

一方で、この格局の人はプライドが高く、官星による制約を嫌い、伝統に挑戦したり、才能を誇示しがちな傾向もあります。女性命の場合、傷官が過度に旺盛となることで夫星(官星)を剋しやすく、結婚運が不安定になりやすい点も特徴です。

格局の喜忌​

  • 喜神(きしん)

    1. 財星:この格局における第一の喜用神。財星が食傷の秀気を引き出し、「児また児を生む、秀気流行」となり、大きな富貴をもたらします。
    2. 食傷:歳運でさらに食傷が巡るのも格局の旺勢に順応し、吉運となり、才能が存分に発揮されます。
    3. 比劫:この格局では比劫(比肩・劫財)も忌みません。比劫は食傷を生じ助けるため、順勢となり、喜とされます。
  • 忌神(きしん)

    1. 印綬(いんじゅ):この格局で最も忌む神であり、「破格」の元です。印星(特に偏印)は格局の根本である食傷を直接剋し、同時に日主を生じて「母旺子滅」となり、従わなくなって大凶となります。
    2. 官殺(かんさつ):格局で二番目に忌む神。官殺は日主を剋し、傷官と激しく衝突(傷官見官)して格局の調和を壊し、官非や災禍を招きます。

古典文献​

『滴天髄』

「一出門来只見児、吾児成気構門閭。従児不論身強弱、只要吾児又得児。」

釈義: (日主が)一歩外に出ると(自らが生み出す五行)、ただ「児」(食神・傷官)だけが見え、その「児」(食傷)がすでに強大な気勢を成し、月令という門戸を占めている。従児格に入る場合、日主の強弱にこだわる必要はなく(比劫もまた食傷を生じ助けるため)、最も重要なのは「児」(食傷)がさらに「児」(財星)を生み出せるかどうかである。

『滴天髄闡微』

「任氏曰:順者、我生之也;只見児者、食傷多也;構門閭者、月建逢食傷也、月為門戸、必要食傷在提綱也;不論身強弱者、四柱雖有比劫仍去生助食傷也;吾児又得児者、必要局中有財、以成生育之意也。如己身碌碌庸庸、無作無為、得子孫昌盛、振起家声、又要運行財地、児又生孫、可享児孫這栄矣。故為順局。従児与従財官不同也。然食傷生財、転成生育、秀気流行、名利皆遂。故以食傷為子、財即是孫、孫不能剋祖、可以安享栄華。如見官星、謂孫又生児、則曾祖必受其傷、故見官殺必為已害。如見印綬、是我之父、父能生我、我自有為、焉能容子?子必遭殃。無生育之意、其禍立至。是以従児格最忌印運、次忌官運。官能泄財、又能剋日、而食傷又与官星不睦、忘生育之意、起争戦之風、不傷人丁、則散財矣。」

釈義: 任鉄樵は次のように述べています。「順」とは自分が生み出す五行のこと。「只見児」とは命式中に食神・傷官が多いこと。「構門閭」とは月令がちょうど食神または傷官であり、月が命式の門戸なので、食傷が月令提綱を占めている必要がある。「身強弱を問わず」とは、たとえ四柱に比肩や劫財があっても、それらはやはり食傷を生じ助ける(=日主を直接助けない)という意味。「吾児又得児」とは、命式中に必ず財星があり、「食傷生財」という生生不息のイメージを構成することを指します。これは、本人が平凡で何も成し遂げなくても、子孫(食傷)が繁栄し、家名を高めるようなものです。この時、大運が財地に巡れば(まるで)息子が孫を生むようなもので、子孫の栄誉を享受できるのです。これを「順局」と呼びます。

従児格は従財格・従官格とは異なります。しかし(従児格の本質は)食傷生財であり、相生が巡り、秀気が流通し、名声と利益の両方を得ることができます。食傷を子、財星を孫に例え、孫(財)は祖父(日主)を剋することはなく、日主は安らかに栄華を享受できます。もし官星が現れれば、孫(財)がまた子(官)を生むことになり、曾祖父(日主)は必ずその害を受けます(官が日主を剋すため)、ゆえに官殺は必ず災いとなります。印綬が現れれば、印綬は自分の父であり、父が自分を生じることで自分が有為となり(従児でなくなる)、子(食傷)を容れる余地がなくなります。子(食傷)は必ず災いを受け(印が食傷を剋す)、生生不息のイメージが失われ、災いがすぐに訪れます。

したがって、従児格は印星の大運を最も忌み、次いで官星の大運を忌みます。官星は財星の元気を漏らし、日主を剋し、さらに食傷と官星が不和となり(食傷が財を生む意欲を忘れ)、争いが生じます。たとえ人丁を傷つけなくても、必ず財を散らすことになります。

事例解析​

丁卯・壬寅・癸卯・丙辰

この命式は癸水日主が寅月に生まれ、地支に寅・卯・辰の三会東方木局が揃い、木(傷官)の気勢がすでに成立しています。日主の癸水は地支に根がなく、天干には壬水劫財があるものの、大勢に従い木を生じています。時干に丙火財星が透出し、全局が「水生木、木生火」という完璧な流通を成し、「児また児を生む」の真従児格となっています。そのため命主は若くして科挙に登第し、高官に昇進しました。ただし月干の壬水は病(劫財が財を争う)となり、丁火によって合されるのが吉。申運に入ると金(印)が絶地の根として現れ、格局の旺勢に逆らったため、「不禄」(死去)となりました。

よくある質問​

従児格とは何ですか?​

従児格(じゅうじかく)とは、四柱推命における特殊な格局の一つで、日主が極端に弱く、命式中に食神・傷官(食傷)が圧倒的に強い場合に成立します。印星による生扶が一切なく、日主が自らを捨てて「児(食傷)」の勢いに順応するのが特徴です。この格局が成立すると、持ち主は天賦の知恵や芸術的才能に恵まれ、技術や学識で大きな富や名誉を得る可能性が高いとされています。従児格は「食傷格」とも呼ばれ、命式の気勢が食傷に集中していることが最大のポイントです。

従児格の判別方法はどのように行いますか?​

従児格の判別方法は、まず日主が地支に全く根を持たず、四柱に印星(正印・偏印)が一切ないことが前提です。次に、命式内の月令や地支が食神・傷官で満たされ、食傷が極めて旺盛な状態であることを確認します。さらに、天干や地支に財星があれば「児また児を生む」となり、格局として最上となります。仮格の場合は日主に微根があったり、印星が虚浮していることがありますが、気勢が食傷に集中していれば、従児格として認定されます。

なぜ従児格が四柱推命で重要なのですか?​

従児格が四柱推命で重要視される理由は、その持ち主が生まれながらにして高い才能や創造力、表現力を持つとされるからです。命式全体の気勢が食傷に集中しているため、知恵や芸術的センスが最大限に発揮されやすく、特に「食傷生財」の流れが成立すれば、大きな富や名声を得る可能性が高まります。従児格の成立は、人生の成功や名誉に直結する上格とされるため、命式鑑定で非常に重視されています。

従児格における喜神と忌神は何ですか?​

従児格での喜神は主に「財星」と「食傷」です。財星は食傷の秀気を引き出し、富や成功の象徴となります。また、食傷がさらに強まることも吉運をもたらします。比肩・劫財も食傷を助けるため忌みません。一方で、最も忌むのは「印星(印綬)」で、これが現れると格局が破れ大凶となります。次に忌むのは「官星(官殺)」で、食傷と衝突し調和を乱すため、運勢に悪影響を及ぼします。

従児格の人が注意すべき点は何ですか?​

従児格の人が注意すべき点は、印星や官星の大運や歳運が巡る時です。印星が現れると格局が破れやすく、運気が急転する恐れがあります。官星の場合も、食傷との対立や財星の漏出が生じ、仕事や人間関係にトラブルを招くことがあります。特に女性命の場合、傷官が旺盛だと結婚運が不安定になる傾向があるため、バランスの取れた運勢の流れやサポートを意識することが大切です。