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天厨食禄

天厨食禄(てんちゅうしょくろく)は、その本質が「食神坐禄(しょくしんざろく)」にあります。つまり、命主の食神(しょくしん)が、ちょうどその天干(てんかん)自身の「臨官(りんかん)」の禄(ろく)に座している状態を指します。食神は福寿の星であり、口福(美食や飲食の楽しみ)、享受、そして才能を象徴します。禄は俸禄や爵禄、すなわち物質的な豊かさや福運を意味します。食神が禄を得ることは、まるで御膳房(台所)を管理する総管が自ら俸禄を持つようなもので、福気がいっそう深まるため「天厨」と名付けられています。

調べ方

日干(にっかん)を基準とし、まずその「食神」の天干を特定します。次に、その食神天干の「臨官」禄位がどの地支(ちし)にあるかを調べ、その干支が同じ柱に揃っていれば、この格に入ります。

具体的には下記の通りです:

  • 甲日干:食神は丙、丙の禄は巳、柱に「丙巳」が現れる。
  • 乙日干:食神は丁、丁の禄は午、柱に「丁午」が現れる。
  • 丙日干:食神は戊、戊の禄は巳、柱に「戊巳」が現れる。
  • 丁日干:食神は己、己の禄は午、柱に「己午」が現れる。
  • 戊日干:食神は庚、庚の禄は申、柱に「庚申」が現れる。
  • 己日干:食神は辛、辛の禄は酉、柱に「辛酉」が現れる。
  • 庚日干:食神は壬、壬の禄は亥、柱に「壬亥」が現れる。
  • 辛日干:食神は癸、癸の禄は子、柱に「癸子」が現れる。
  • 壬日干:食神は甲、甲の禄は寅、柱に「甲寅」が現れる。
  • 癸日干:食神は乙、乙の禄は卯、柱に「乙卯」が現れる。

格局の意味

天厨食禄格(てんちゅうしょくろくかく)に入る命は、生まれながらにして福気が厚く、一生衣食に困ることがありません。精神的な豊かさと物質的な充実の両方を得やすい運勢です。この格を持つ人は、聡明で温和、口福に恵まれ、芸術や技芸の才能にも恵まれます。楽観的で争いを好まず、安逸で悠々自適な生活を送りやすい特徴があります。また、祖先や両親・家族からの財産や庇護を享受しやすい傾向もあります。官職に就く場合も、待遇が良く、仕事が比較的楽なポジションに就くことが多いでしょう。

一方で、格局が損なわれたり、日主が弱い場合は、安逸に流れやすく、向上心に欠け、怠惰な傾向が生じやすくなります。せっかくの福気があっても大きな成果を上げにくく、才能を純粋な娯楽にのみ使い、仕事や事業の発展に活かしきれないこともあります。

格局の吉凶

  • 吉(よし)

    1. 身旺有気(しんおうゆうき):日主自身が強く旺盛であること。これにより食神からもたらされる福禄を十分に受け取り、精神も充実し、才能も存分に発揮できます。
    2. 財星引通(ざいせいいんつう):「柱」や運勢の流れで財星(正財・偏財)に恵まれると、「食神生財(しょくしんせいざい)」の流通格局が成立します。これは格局成立のカギであり、天賦の才能や福気を実際の財産や社会的な成功へと転換できます。
    3. 月令生旺(げつれいせいおう):天厨食禄の柱が、生旺の月令に座している、もしくは月令自体が食神や財星である場合、格局が純粋となり、福力が倍増します。
  • 凶(きょう)

    1. 偏印奪食(へんいんだっしょく):この格局で最も忌むべきもの。柱や運勢に強い偏印(または「枭神(きょうしん)」)が現れると、食神を直接剋し、格局が破れます。福気が急減し、病気や失業、気分の落ち込みなどが生じやすくなります。
    2. 刑冲空亡(けいちゅうくうぼう):天厨食禄の干支が他の支から刑・冲・害を受けたり、空亡に落ちることも大きな忌み。福禄が空虚となり、良いことが実現しません。例えるなら、台所はあっても米がないようなものです。
    3. 官殺混雑(かんさつこんざつ):食神は七殺(しちさつ)を制する力もありますが、七殺が強すぎて日主が弱い場合、食神の制殺力が及ばず、体が弱くなり災いが多く、内面も葛藤し、悠々自適な福を享受しにくくなります。

古典文献

『三命通会』より

乃甲食丙,丙禄在巳,乃食神位上就见禄,曰“天厨禄”。须干支全见者方是。若有丙无巳,有巳无丙,则非。此不拘年月时,又不专以戊日论,所以与合禄不同。人命五行有厨,月令纯粹,四柱顺食,主福慧优游。更与财库相会,主享父母财帛,居官食禄丰厚。

現代語訳: たとえば甲日干の場合、丙火が食神となり、丙火の臨官禄位は巳にあります。つまり、食神の天干(丙)と、その禄位(巳)が同じ柱に揃っている状態が「天厨禄」と呼ばれます。天干だけ、あるいは地支だけが揃っていても成立せず、両方が同じ柱に現れて初めて格となります。この格局は年柱・月柱・時柱のいずれに現れてもよく、戊日干に限定されるものでもありません。そのため、合禄格とは異なります。命式に天厨があり、月令の気が純粋で、四柱の五行が食神に順じていれば、命主は福気と知恵に恵まれ、豊かで悠々自適な人生を送ることができます。さらに財庫(辰・戌・丑・未など)と組み合わされば、両親の財産を享受しやすく、官職に就けば俸禄も豊かになります。

よくある質問

天厨食禄とは何ですか?

天厨食禄(てんちゅうしょくろく)は、四柱推命において「食神坐禄」という格局を指し、命主の食神が天干の自身の禄位に座している状態です。食神は口福や才能、禄は物質的な豊かさを象徴します。命式に天厨食禄格が現れると、福気が厚く、精神的・物質的に充実した人生を送りやすいとされます。芸術や技芸の才能、家族からの財産や庇護も得やすい特徴があります。

天厨食禄の調べ方の方法は?

天厨食禄格を調べるには、まず自分の日干(にっかん)を確認します。次に、その日干の食神となる天干を特定し、食神の臨官禄位がどの地支にあるかを調べます。例えば甲日干なら食神は丙、丙の禄は巳で「丙巳」が柱に揃っていれば成立します。自分の命式の各柱を照合し、対応する干支の組み合わせがあるか確認しましょう。

なぜ天厨食禄が四柱推命で重要なのですか?

天厨食禄格は、四柱推命で特に福気や豊かさを象徴する吉格です。この格局に入ると、精神面と物質面の両方で恵まれる傾向が強く、芸術や技術の才能、家族からの支援も受けやすくなります。格局が純粋であれば、安定した幸福と社会的成功につながるため、命式分析で重視されます。

天厨食禄格の吉凶を判断する方法は?

天厨食禄格の吉凶を判断するには、日主が旺盛(身旺有気)か、財星が流通しているか、月令が食神や財星に座しているかを確認します。逆に、偏印が強い場合(偏印奪食)、刑冲空亡、官殺混雑があると凶となり、福気が損なわれます。命式全体を見てこれらの要素を照合することがポイントです。

天厨食禄格を持つ人の特徴は何ですか?

天厨食禄格を持つ人は、聡明で温和、口福に恵まれ、芸術や技芸の才能が豊かです。争いを避け、安逸で悠々自適な生活を送りやすい傾向があります。また、家族や祖先からの財産、庇護を受けやすく、官職に就いた場合も待遇が良くなることが多いです。ただし、格局が損なわれると怠惰や向上心の欠如に注意が必要です。