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sidebar_position: 23 hide_table_of_contents: false hide_title: true slug: /iching/23-shan-di-bo sidebar_label: 山地剥 title: 第23卦 山地剥(さんちはく)の詳細解説 description: 山地剥(さんちはく)は『易経』六十四卦の第23卦です。本記事では山地剥の卦象、卦辞、爻辞、核心象義、万物類象、古籍原文とよくある質問を整理しています。 keywords:

  • 易経
  • 六十四卦
  • 山地剥
  • 山地剥 解説
  • 周易

第23卦 山地剥(さんちはく)

山地剥(さんちはく)は、『易経』六十四卦の第二十三卦であり、上卦が艮(山)、下卦が坤(地)で構成される雑卦です。剥落、浸食、衰微、陰盛陽衰を象徴し、山が地に付着し、陰が長じて陽が消え、頽廃・剥落する様を表します。核心的要義は 「山附于地,剥,上以厚下安宅」 (山が地に付くは剥なり。上はもって下を厚くし宅を安んず)であり、衰微と剥落、勢いに順じて退き守り、陽を保ち本を固めることを主とし、中平の卦です。陰が盛んになり陽が消え、小人が次第に勢力を伸ばし、君子が退き守って時を待つという法則を明らかにしています。

卦象と卦辞​

卦象​

山地剥
第23卦 · 上艮下坤 · 山附于地
上卦:艮 ☶下卦:坤 ☷五行:土土(艮は土に属し、坤は土に属す)

陰盛陽衰、剥落退守、時に順じて徳を養うことを象徴する。

卦辞​

剥:不利有攸往。

訳文: 剥卦は剥落と衰微を象徴し、何かへ向かって進むこと、積極的な行動には不利です。陰が盛んになり陽が消え、小人の勢いが伸長していることを寓意し、君子は退き静かに身を処し、軽率に進んではならないことを示します。

爻辞​

  • 初六: 剥床以足,蔑贞,凶。

    剥床以足,蔑贞,凶。
    訳文: 寝台が足元から剥がれ落ちる。正道を軽んじ、守りを保たない。凶。剥落が基盤から始まり、基盤が損なわれたことを象徴し、正道を守らなければ必ず凶険を招きます。

  • 六二: 剥床以辨,蔑贞,凶。

    剥床以辨,蔑贞,凶。
    訳文: 寝台が床の幹の部分まで剥がれ落ちる。正道を軽んじる。凶。浸食が絶えず深まり、すでに主幹を傷つけたことを寓意し、それでも正道を守らなければ災いは一層強まります。

  • 六三: 剥之,无咎。

    剥之,无咎。
    訳文: 剥落の勢いに順応する。災いはない。剥落の中にあっても、勢いに順じて為し、無理に抵抗しないことを象徴し、一時的に災いを免れることができます。

  • 六四: 剥床以肤,凶。

    剥床以肤,凶。
    訳文: 寝台が床面まで剥がれ落ちる。身に危険が及ぶ。凶。剥落がすでに自身を傷つけたことを寓意し、状況は極めて危険です。

  • 六五: 贯鱼,以宫人宠,无不利。

    贯鱼,以宫人宠,无不利。
    訳文: 魚の群れのように次々と従い、宮人が順序に従って寵愛を受ける。何も不利なことはない。柔順の道をもって衆に従い安らかに処し、上位に順承することを寓意し、剥落の中にあっても安らかに過ごすことができます。

  • 上九: 硕果不食,君子得舆,小人剥庐。

    硕果不食,君子得舆,小人剥庐。
    訳文: 大きな果実は摘み取られず、君子は車輿の庇護を得るが、小人は家屋が剥がれ落ちる。剥落が極限に達し、陽気がまだ尽きていないことを象徴し、君子は陽を守って吉を得、小人はついに破敗に至ります。

核心象義​

剥卦は、上卦の艮が山で止まることを表し、下卦の坤が地で順ずることを表します。高い山が地に付着し、陽気が陰気に何層にも剥ぎ取られ浸食される様は、陰盛陽衰、小人の道が長じ、君子の道が消えることを象徴し、物事が衰微・剥落に向かうことを示します。人事における運勢の衰退、小人が権勢を振るう、基盤が損なわれる、退いて身を守ることに対応し、勢いに順じて止まり、根本を保全し、安易に動いてはならないことを主とします。同時に、剥落が極まれば陽が復するという警告も含み、陽を守って変化を待てば転機があることを示唆しています。

剥卦の六爻は剥落のプロセスを中心に展開します。初六は床足に剥落が及び基盤が損なわれ、六二は床の幹に剥落が及び浸食が深まり、六三は勢いに順応して剥落に応じ、一時的に咎なしを得、六四は床面に剥落が及び自身に危険が及び、六五は衆を率いて寵愛を受け、時に順じて安らかに処し、上九は大きな果実がただ一つ残り、君子が吉を得ます。全体の核心は 陰盛陽消、退守保陽、待時復転 (陰が盛んになり陽が消え、退き守って陽を保ち、時を待って復活と転換を図る)です。

万物類象​

  • 卦性: 雑卦、陰盛陽衰、山附于地、剥落頽敗
  • 五行: 土土(艮は土に属し、坤は土に属す)
  • 方位: 北東と南西
  • 時序: 秋の末から冬の初め、陰気が極めて盛んで陽気が収蔵される時期
  • 人物: 小人、柔弱な人、退き守る君子、基盤を損なわれた者
  • 身体: 脾胃、肌膚、肢体。気血の衰敗、基盤の損傷を主る
  • 動物: 牛、温順な走獣、穴居の虫
  • 器物: 剥落した器物、破損した車輿、寝台
  • 場所: 山地、頽れた家屋、荒野、陰湿な土地
  • 人事: 運勢の衰微、小人が権勢を振るう、退いて自らを守る、基盤の剥落
  • 色彩: 黄、褐、暗色
  • 五味: 甘、淡
  • 数目: 五、八、七

古籍原文​

卦辞爻辞​

剥: 不利有攸往。
初六: 剥床以足,蔑贞,凶。
六二: 剥床以辨,蔑贞,凶。
六三: 剥之,无咎。
六四: 剥床以肤,凶。
六五: 贯鱼,以宫人宠,无不利。
上九: 硕果不食,君子得舆,小人剥庐。

彖伝​

《彖》曰:剥,剥也,柔变刚也。不利有攸往,小人长也。顺而止之,观象也。君子尚消息盈虚,天行也。

訳文: 剥とは、剥落浸食することである。陰柔の気が陽剛を変え侵す。行くに利あらずとは、小人の勢力が次第に伸びるからである。時勢に順じて行動を止めるのは、卦象を観察して得た道理である。君子は盛衰消長の法則を尊び、これが天道の運行する法則なのである。

象伝​

《象》曰:山附于地,剥。上以厚下安宅。

訳文: 高い山が大地に付着し、次第に剥落し頽廃する、これが剥卦の象である。上位に立つ者はこの象に倣い、下層の民衆を厚く遇し、自身の基盤と住居を安定させる。

《象》曰:

  • 剥床以足,以灭下也。
  • 剥床以辨,未有与也。
  • 剥之无咎,失上下也。
  • 剥床以肤,切近灾也。
  • 贯鱼无不利,宠无过也。
  • 君子得舆,民所载也。小人剥庐,终不可用也。

訳文:
床足が剥がれ落ちるのは、基盤が滅ぼされたからである。
床の幹が剥がれ落ちるのは、助け合う者がいないからである。
勢いに順じて剥落しても咎がないのは、上下と共に疎遠になったからである。
床面が剥がれ落ちるのは、災いが目前に迫っているからである。
順序に従って寵愛を受けるのは、順承して過ちがないからである。
君子が車輿を得るのは、民衆に擁戴され支えられるからである。
小人の家屋が剥がれ落ちるのは、その行いが結局任用に堪えないからである。

よくある質問​

剥卦は吉と主とするか、凶と主とするか?​

答: 剥卦は中平の卦であり、陰盛陽衰・小人が権勢を振るえば凶、君子が退き守って陽を保ち、時を待って復活と転換を図れば吉であり、全体としては先に衰えて後に復する象です。

剥卦の「不利有攸往」とはどういう意味か?​

答: 運勢が剥落・衰微の段階にあり、小人の勢力が強盛であるため、積極的に出撃し、作為を為すには適さず、君子は静かに守って時を待ち、軽率に進んではならないことを指します。

剥卦はどのような場面に適しているか?​

答: 退き守って自らを守り、基盤を固め、身を修めて時を待つなど、衰微の段階の場面に適しています。積極的に進取し、事業を拡大し、人と争うことには適していません。

剥卦を占って事業を問うた場合、どのような示唆があるか?​

答: 事業は衰退期にあり、小人が次第に伸長しています。退き守って身を保ち、基盤を固めるのが良く、上九の陽を守って変化を待つことが最も吉です。初六から六四までは、安易に動いて災いを招くことを戒め、静かに陽の復活と転機を待ちます。

剥卦と復卦の違いは何か?​

答: 剥卦は陰盛陽消・山附于地であり、剥落と衰微を主とします。復卦は一陽復始・地雷發動であり、陽気の回復を主とします。両者は互いに綜卦の関係にあり、剥極まれば必ず復する、陰陽消長の天道の法則を体現しています。